清水焼について

 現在、京都で焼造される陶磁器の総称によく使われている清水焼とは、約四百年ほど前に京都東山山麓に築窯された清水焼・粟田口焼・八坂焼・音羽焼・御室焼・御菩薩池焼(みぞろいけやき)・修学院焼などの諸窯の一つでした。

 清水焼陶祖、仁清・乾山の登場そして茶の湯の広がりとあわせ、沢山の陶工を拝し多方面にわたる清水焼の技術があみ出され、京都(みやこ)の伝統と文化とともに歩んできました。後に多数の名工・名窯が集まった清水焼発祥の地五条坂近辺が清水焼の代表的な産地となり、現在日本全国の中でも優れた伝統と技術、開発力を併持する京都を代表する産業となり、また近年陶芸を目指す若者たちの作品の発表の場として例年8月7日~10日まで開催される五条坂陶器まつりが、賑やかで魅力あるイベントになっています。

 清水焼の工程

01

ロクロ成形

全国から良質な山土を採り入れ、京都独自にブレンドした原料を使っています。

02

素焼き

約6時間かけて800℃まで焼成します。

陶泉窯は登り窯で創業し、現在は弊社オリジナル設計の焼成窯を使用しています。

03

下絵付け

素焼きを終えた素地に下絵付けを施します。素地は吸水性が高いので、上絵付けとは異なる独自の技能が要求されます。

04

釉がけ

京都でブレンドした原料に合う並釉(なみゆ)と呼ばれてる昔ながらの灰釉を使っています。

約12時間かけ1210℃まで焼成します。

05

窯詰め・本焼き

 

本焼きの窯詰は高さを揃えて段組し、隣と接触しないように詰めていきます。

焼き上がってから窯出し迄に約1日かかります。

06

上絵付け

 

絵付けをして750℃~800℃で約5時間焼成します。

金の絵付けは上絵付しか出来ません。

 

  

下絵付けとは

陶泉窯の特色は、一貫してこだわりを持ち続けている下絵付けの技術にあります。

下絵付けとは、絵付けを施した上から釉薬をかけて、絵付けと釉薬をいっぺんに焼き込む手法です。

その色使いは多種に及び、上絵付けほどの繊細さと鮮やかさはありませんが、焼き物ならではの温かさとともに独特の透明感と色合いの柔らかさが魅力です。加えて近年の問題となっている鉛の溶出についても安全です。

陶泉窯は絵付け、ロクロ成形ともに手作りにこだわり、千年を超える歴史に培われた美しい京ものを「つかう京もの」として心豊かな暮らしの実現を目指しています。